トランプ氏、イランとの協議の週内再開を示唆 米国は海上封鎖続ける

画像提供, Reuters
バーンド・デブスマン・ジュニア(米ホワイトハウス)
アメリカのドナルド・トランプ大統領は14日、イランとの戦争終結を目指す協議が今週再開される可能性を示唆した。先週末にパキスタンであった協議は物別れに終わり、アメリカはイラン港湾の封鎖に乗り出している。
米紙ニューヨーク・ポストによると、トランプ氏はパキスタンの首都イスラマバードにいる同紙記者に対し、「あなたはそこ(イスラマバード)にとどまるべきだ。今後2日間で何かが起こる可能性があり、私たちはそちらに行く方向に傾いているからだ」と話したという。
アメリカがイランの港湾および沿岸海域で実施している封鎖については、13日の開始から24時間内にかいくぐった船舶はなかったと、米軍が発表した。
アメリカとイランの対立姿勢は、来週期限が切れる2週間の停戦の行方を危うくしている。
イラン側は、トランプ氏の協議再開に関する発言に対し、反応を示していない。
一方、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、協議が再開される可能性は「かなり高い」との見方を示した。
ロイター通信によると、アメリカとイランの交渉チームが今週後半にパキスタンに戻る可能性があると、湾岸諸国、パキスタン、イランの当局者らが話した。日程は未定だという。
外交活動が継続するとの期待感は、原油市場に落ち着きをもたらした。指標価格は14日、1バレルあたり100ドルを下回った。
商船6隻がイランの港に引き返したと
石油・ガスの国際輸送の要衝ホルムズ海峡は、アメリカとイスラエルが2月28日にイラン空爆を開始したあと、イランが事実上封鎖している。
一方、米軍もこの海域で現在、艦艇10隻以上と兵士約1万人で、イランの港に出入りするすべての国の船舶を対象に封鎖を実施。イランの経済的生命線を断ち切っている。
この措置は、イランの二つの主要な資金源を標的に、同国に圧力をかけることを目的にしている。一つは石油収入、もう一つはホルムズ海峡を通過する船に要求していた多額の通行料だ。
中東および中央アジアの一部を管轄する米中央軍(CENTCOM)は、封鎖開始からの24時間で6隻の商船が米軍の「指示に従って」イランの港に引き返したと発表した。
BBC ヴェリファイ(検証チーム)が分析した船舶追跡データからは、封鎖にもかかわらず、イラン関連の船舶が少なくとも4隻、ホルムズ海峡を通過していたことがわかる。うち少なくとも2隻はイランの港に停泊していた。
さらに、イラン関連ではない船舶3隻も、封鎖開始後に同海峡を通過したことが確認できる。
先週末イスラマバードであった1回目の高官級協議では、双方は合意にこぎつけられなかった。アメリカは、同国が示した条件にイランが同意しなかったと説明した。
主な障害は、イランの核兵器保有への意欲だった。
米当局者が、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに話したところでは、アメリカはイランに対し、ウラン濃縮を20年間全面停止するよう提案していたという。
他の米メディアが情報筋の話として伝えたところでは、イランは5年間の停止を提案していたとされる。
経済的苦痛は耐える価値あると米長官
こうしたなか、国際通貨基金(IMF)は、この戦争で世界経済が景気後退に陥る恐れがあるとの警告を発した。一方、アメリカのスコット・ベッセント財務長官は、長期的な国際安全保障のためなら「多少の経済的苦痛」は耐える価値があるとBBCに話した。
中国は14日、アメリカによる封鎖措置について、「危険かつ無責任」だとし、「緊張を悪化させ、すでにもろい状態の停戦合意を損なう」だけだと警告した。
これとは別に、イスラエルとレバノンは14日、米ワシントンで協議し、直接協議の開始で合意した。イスラエルは北隣のレバノンに対し、イランの支援を受けるイスラム教シーア派武装勢力ヒズボラを狙った空爆を実施している。
米国務省で開かれたこの日の協議では、双方の当局者らが1993年以来初めて直接的に対話した。レバノン駐米大使は「実り多い」ものだったとし、イスラエル駐米大使は「平和の新たな時代」への道を開くものだとした。
米当局の1人は、イスラマバードでのアメリカ・イランによる協議と、ワシントンでのイスラエル・レバノン間の協議は、関連性がまったくないとBBCに強調した。












