トランプ氏が予告したイラン港湾封鎖が始まる ヴァンス氏はホルムズ海峡で「経済テロ」とイラン非難

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は13日、イランの港湾封鎖の措置を米東部時間同日午前10時(日本時間同午後11時)に開始すると述べた。この時間が過ぎたあと、ホワイトハウスで記者団の取材に応じ、イランが世界を脅すことは許さないとの考えを示した。イランは対抗する姿勢を示している。
トランプ氏は封鎖措置の開始後、ホワイトハウスで記者団に、イランが「まさに世界を脅迫している」と主張。そうしたことは認めないとし、そのためにイラン港湾への船舶の出入りの封鎖を命じたと述べた。
また、「現時点では戦闘は起きていない」、「現在、私たちが封鎖しており、向こう(イラン)は商売をしていない」と説明。「私たちはこの状態を維持していく。とても簡単にできる」と述べた。
さらに、「イランと取引をしている船が、通過するのを見るのは嫌だった」とした。停戦中にホルムズ海峡を通航した船舶についての発言とみられる。
ホルムズ海峡については、アメリカは自国に石油や天然ガスがあるため、エネルギー輸送で利用していないと、トランプ氏は述べた。
戦闘終結に向けたイランとの先週末の協議が合意に至らなかったことに関し、今後の協議の可能性について記者団から問われると、イランが「非常に強く」合意を望んでいると説明。この日朝も「適任者たち」から合意を探る電話があったとした。
両国間で合意への主な障害となっているイランの核開発については、「イランが核兵器をもつことはない」と断言。「私たちは多くの点で合意したが、向こうはその点には合意しなかった」と述べた。
そのうえで、最後はイランが合意すると「確信」しているとし、「もしそうしなければ、合意は成立しない」と話した。
一方、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿では、トランプ氏は「イラン海軍の艦艇158隻が、完全に破壊され、海底に沈んでいる。だが(イラン側が)『高速攻撃艇』と呼ぶ少数の艦艇は攻撃してこなかった。大した脅威とは考えていなかったからだ」と主張。
「警告:これらの船の1隻でも私たちの封鎖線に近づけば、海上の麻薬密売船に対するのと同じ方法で、直ちに排除される」と書いた。
こうしたなか、J・D・ヴァンス米副大統領は、イランがホルムズ海峡の航行を封鎖して「経済テロ行為」に出ていると、米FOXニュースの番組で非難した。
ヴァンス氏は、イランが「経済テロリズムに及んだ」場合、アメリカは「イランの船舶も一切出航させない」という原則を貫くと述べた。
同氏はまた、週末のイランとの協議について、大きな進展があったと説明。「ボールはイラン側にある」とした。
イランは「脅迫に屈しない」

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イランは、同国の港湾を封鎖するとアメリカが表明したことに反発している。
イスラマバードでイラン代表団を率いたモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は、ソーシャルメディア「X」への投稿でトランプ氏の決定を嘲笑した。
議長は、米ホワイトハウス周辺のガソリンスタンドの位置と石油価格を示す地図のスクリーンショットと共に、「今のスタンドでの値段を楽しむといい。いわゆる『封鎖』によって間もなくそちらは、4~5ドルのガソリンを懐かしく思うことになる」と書いた。
これに先立ち、ガリバフ議長はイラン帰国後に声明を発表し、トランプ氏の「封鎖」発言について、「そのような脅しはイラン人には何の効果もない」と述べ、イランは「脅されて降伏したりしない」と主張した。
イラン・メディアによると、ガリバフ議長はトランプ氏の発表に対し、「そちらが戦うなら我々も戦う。そちらが論理的にやってくるなら、我々も論理で応じる」と述べ、「我々はどのような脅しにも屈しない。もし再び我々の決意を試すなら、相手にいっそう大きな教訓を与えることになる」と主張したという。
議長はさらに、イラン政府は最初から「アメリカを信用していない」と言い続けてきたと指摘。交渉の最中に攻撃してくるという対応を1年足らずの間に2度もしたのだから、アメリカはイランの信頼に値すると示さなくてはならないと強調した。
今年2月28日に始まった戦争と、昨年6月の12日間の戦争はいずれも、イランとアメリカが長年議論されてきたイランの核開発計画をめぐり協議していた最中に始まった。
一方、イラン海軍は、トランプ氏がホルムズ海峡への出入りを試みる「あらゆる船舶」を封鎖すると威嚇したことに対し、同海峡に接近する軍艦に対しては「厳しく」対処するとした。
ガリバフ議長と共にイスラマバードの交渉に臨んだイランのアッバス・アラグチ外相は、イラン政府は協議で「戦争を終わらせるため、誠意をもって」アメリカに向き合ったと、ソーシャルメディアに書いた。
しかし、「『イスラマバード覚書』まであとわずかというところで私たちは、最大限の要求、変わり続ける目標、そして封鎖に直面した」として、外相は「何の学びも得られなかった。善意は善意を生み、敵意は敵意を生む」と結んだ。
こうしたなか、国連のアントニオ・グテーレス事務総長はアメリカとイランに対し、戦争終結に向けた協議の再開を呼びかけた。
グテーレス氏は、この戦争に「軍事的な解決策はない」ことは「明らか」だと強調。「(現在の停戦は)絶対に維持されなければならない」、「あらゆる違反行為の停止が必要だ」と訴えた。
また、全ての国に対し、「国際法に従い、ホルムズ海峡を含む航行の自由を尊重する」よう改めて呼びかけた。
欧州連合(EU)のカヤ・カラス外務・安全保障政策上級代表(外相に相当)は、トランプ氏の封鎖措置を支持するかとのBBCの質問に、「アメリカがどのような行動をするのか、はっきりしない」と返答。
EUとしては、「すべての人に開放されてきた」航路で通行料を取ったり通行制限をしたりすることは支持しないと強調した。
また、この戦争には外交的な解決が必要だとし、合意に至るには「相互に尊重し合う」ことが求められるとした。












