「地球の入り」や「日食」、宇宙船オリオンが捉えた写真をNASA公開

画像提供, NASA
グレッグ・ブロスナン BBC気候・科学チーム
米航空宇宙局(NASA)は7日、主導する国際月探査プロジェクト「アルテミス計画」で打ち上げられた宇宙船オリオンが、地球から見た月の「裏側」を通過した際に撮影した画像の一部を公開した。
NASAは「Earthset(地球の入り)」と題して、無数のクレーターで覆われた月面の向こうに、地球が見える写真を発表した。
NASAが公開した中には、月が太陽を覆った際の壮観な「日食」を写したものもある。月の「裏側」を回り終えた宇宙飛行士たちが、この日食を目にした。
NASAは、オリオンのクルー4人のうち誰が写真を撮影したのかは明らかにしていない。オリオンは現在、地球へ戻りつつある。

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「地球の入り」の写真は、1968年にアポロ8号からビル・アンダース飛行士が撮影した、有名な「Earthrise(地球の出)」の写真を想起させる。人類初の歴史的な月面着陸は、この翌年の1969年に実現した。
宇宙の大いなる深淵(しんえん)を背景に、小さくもろい青い惑星が浮かんでいる1968年の写真は、これまでに撮影された環境写真の中でも特に象徴的なものだと、今も評価されている。
宇宙船オリオンの飛行士たちは今回、月の背後に回り込み地球との交信が途絶えた約40分間を含め、月の周りを飛んだ6時間の間に一連の写真を撮影した。
NASAによると、今回の「地球の入り」の写真は、米東部時間6日午後6時41分(日本時間7日午前7時41分)に、宇宙船オリオンの窓越しに撮影された。
NASAは、「地球の暗い部分は夜の時間帯。地球の昼側では、オーストラリアとオセアニア地域の上空に渦巻く雲が見える」と描写。「手前にはオーム・クレーターがある。縁は段状で、平らな底部の中央には峰がある。こうした中央峰は、複雑なクレーターに見られるもので、月の表面が衝突で液状化し、クレーター形成の際に上方へはね上がった際に生じる」と説明している。

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今回のミッションは、人間が人類史上、地球から最も遠くまで移動し、月の「裏側」を初めて肉眼で見るという初めて尽くしの内容だった。その中でも、月が太陽を覆う日食を目にしたことは、宇宙飛行士たちに強い印象を与えた様子。日食を撮影した写真では、月の縁に沿って白く輝く太陽のコロナ(太陽の外層大気の一番外側にある薄いガス層)を捉えた。
地球から観測される日食はごく短時間しか続かないが、オリオンが月に近接していたため、NASAによると宇宙飛行士たちは、ほぼ54分間にわたって皆既状態を堪能できたという。
ヴィクター・グローヴァー飛行士は、目にした日食の様子について、「まるでサイエンスフィクションだ」「現実離れしている」と表現した。
太陽のコロナの眺めについても、「現実とは思えない光景が続いている」と述べ、「太陽が月の後ろに隠れて、コロナがまだ見えている。とても明るく、月のほぼ全体を取り囲むような光輪を作っている。地球側に目を向けると、すでに地球照が現れている。つまり、太陽が月の背後に沈んでから、ほとんど数秒後には地球照が見える」と報告した。

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最後の有人月面着陸は1972年だった。それから約50年の間に、月の向こう側は人工衛星が撮影してきたものの、今回の周回飛行で宇宙飛行士が肉眼で観察したことは非常に貴重だとNASAは説明している
クルーは目にした光景について、音声描写も記録している。NASAの科学者たちは、こうした記録を詳しく分析し、新しい情報を探っていく。
NASAは、宇宙船オリオンが月の反対側を通過し終えて、地球が再び宇宙飛行士たちの視界に戻ってきた際に撮影した「Earthrise(地球の出)」写真も公開した。

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