カーン前首相の逮捕は「違法」 パキスタン最高裁、釈放命じる

パキスタンの最高裁判所は11日、イムラン・カーン前首相の汚職容疑での逮捕を違法と判断し、カーン氏の即時釈放を命じた。
カーン氏は9日に首都イスラマバードの高等裁判所の敷地内で大勢の警官に拘束された。以来、各地で支持者らの激しい抗議デモが続いており、これまでに少なくとも10人が死亡、2000人が逮捕されている。カーン氏と軍の間の緊張も高まっている。
カーン氏はこの日、最高裁に出廷。逮捕後初めて、公の場で姿が確認された。
法廷では最高裁判事3人の前に立ち、ウマル・アタ・バンディアル裁判長から「逮捕は無効で、すべての手続きをやり直す必要がある」と告げられた。逮捕が裁判所の敷地内で行われ、生体認証も実施されたことが無効の理由とされた。
カーン氏は、逮捕時に裁判所から誘拐され「棒で殴られた」として憤りをあらわにした。判事らは、もっとひどい扱いを受けた人たちがいるとカーン氏にたびたび説明した。
こうした主張に対し、治安部隊はすぐには反応していない。

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カーン氏は逮捕されて以来、イスラマバードの警察の宿泊施設に収容されている。同施設は10日、臨時の法廷として使用され、数多くの汚職容疑がかけられているカーン氏が初めて起訴された。同氏は無罪を主張した。
カーン氏は今後、最高裁の保護下に置かれる。同氏は自宅に戻ることを求めたが、裁判所は治安状況を理由に、警察の宿泊施設にとどまる必要があるとした。ただ、誰を呼んでもいいとした。
クリケットの元スター選手のカーン氏は、2018~2022年に首相を務めた。昨年4月に議会で不信任が決議され、首相の座を追われた。裁判で有罪となれば、おそらく生涯にわたって公職に就けなくなる。パキスタンでは年内に総選挙が予定されている。
カーン氏と支持者らの声
閉廷後、カーン氏は15分ほど法廷にとどまり、メディアの質問に応じた。抗議デモで死者が出たことや、同氏が率いる政党「パキスタン正義運動(PTI)」の幹部らの逮捕は知らなかったと述べた。
カーン氏はBBCに対し、逮捕時に頭を殴られ出血したと説明。その画像が世界中に拡散されただけに、支持者らが激しく抗議したのは意外ではないと話した。
暴力的な抗議行動をやめるよう支持者に呼びかけるかと質問されると、すでに声明を出していると返答。抗議は常に平和的に行うよう求めてきたと述べた。

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カーン氏の支持者たちは、最高裁の決定を歓迎した。同氏のラホールの自宅前での集会に数日間参加しているという男性は、「イムラン・カーンの釈放は、私たちが真実を知っていたことの証明だ」とBBCに話した。
別の人は、今回の判断で「国への希望がよみがえった」と述べた。
パキスタンの国連大使などを務めたマリーハ・ロディ氏は、最高裁の判断がカーン氏支持者の怒りを鎮めるのに役立つだろうと述べた。

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前首相と軍の関係
多くのアナリストは、カーン氏が2018年の選挙で勝利したのは、軍の支持があったからだと考えている。ただ、双方ともこれを否定している。カーン氏はその後、強大な力をもつ軍との関係が悪化。与党PTIは離反者が続出し、経済危機も深刻化する中で議会の過半数を失った。
首相の座を4年足らずで追われて以来、カーン氏は軍を激しく批判してきた。アナリストらによると、軍に対する支持は低下している。
カーン氏は数多くの汚職容疑がかけられている。PTIは政治的な動機に基づくものだとしている。
2022年11月には、カーン氏は抗議デモの行進中、脚を撃たれた。同氏は情報機関の幹部らが実行したと非難しているが、軍はこれを強く否定している。
今回のカーン氏の逮捕の前日には、軍は同氏に対し、軍幹部が同氏の殺害を企んでいるとの「根拠のない主張」をしないよう警告していた。
パキスタン情勢を注視している人たちは、終わることのない政治的混乱、崖っぷちにある経済危機、治安部隊への信頼を失わせるイスラム武装勢力の暴力に見舞われ、同国は前例のない危機的な状況にあるとしている。









