カーン前パキスタン首相を起訴、各地で暴力的抗議も 約1000人拘束

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汚職容疑で逮捕されたパキスタンのイムラン・カーン前首相(70)が10日、起訴され、無罪を主張した。カーン氏の支持者らは各地で激しい抗議デモを繰り広げており、多数が拘束されている。
警察によると、全国的な抗議デモでこれまでに8人が死亡、約1000人が逮捕された。
一部の地域では軍隊が出動。軍の施設などを攻撃したデモ参加者らに対し、厳しい警告を発した。
クリケットの元スター選手で人気が高いカーン氏は、2018~2022年に首相を務めた。昨年4月に議会で不信任が決議され、首相の座を追われた。その後、さまざまな汚職疑惑が持ち上がった。
カーン氏は9日、首都イスラマバードの裁判所に出廷した際、大学の土地譲渡に絡む汚職容疑で、多数の警官によって逮捕された。
翌10日、首相在任中に外国からの贈り物を違法に売却した罪で起訴された。この事件は選挙管理委員会の指摘に基づくもの。同氏が正式に起訴されたのはこれが初めて。
カーン氏は罪状を否認。法的な要件をすべて満たしていたと主張している。
裁判で有罪となれば、カーン氏はおそらく生涯にわたって公職に就けなくなる。パキスタンでは10月に総選挙が予定されている。

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カーン氏は現在、警察の客用宿泊施設で拘束されており、厳重な警備下に置かれている。この施設が法廷としても使用されている。
アッサン・イクバル計画相は10日の記者会見で、「イムラン・カーン氏は法の裁きを受け、無実なら選挙に出られる。だが、汚職で有罪となれば、その結果に直面することになる」と話した。
カーン氏の弁護士の1人、シェール・アフザル・マルワト氏は、カーン氏の体調は良好だと説明。同氏が支持者に対し、「法の支配のために立ち上がる必要がある」として、諦めないよう呼びかけていたと述べた。
カーン氏が率いる政党パキスタン正義運動(PTI)は、逮捕の合法性を法廷で争うとしている。
デモ参加者と警察が衝突
カーン氏が逮捕・起訴されたことで、パキスタン各地で激しい抗議デモが起こり、カーン氏側と軍との緊張が一気に高まっている。
イスラマバードでは、主要高速道路の中央でデモ参加者と警察が衝突した。デモ参加者の中には、PTIの旗を持つ人や、同氏の仮面をかぶる人もいた。
デモ参加者らは正午過ぎから集まり始めた。まもなくして、催涙ガス弾が群衆に向けて発射された。人々は棒を使ってガス弾を遠くに飛ばそうとしていた。BBCがその場にいた90分間、逮捕者は出なかった。
石と棒を持ちマスクを着けた男性は、「平和的に抗議しようと来たが、警察が砲撃してくる」とBBCに話した。
「この抗議は、私たちが死ぬかイムランが解放されるまで続ける。さもなければ、国全体を封鎖する」

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政府は秩序維持のため、カイバル・パクトゥンクワ、パンジャブ、バロチスタンの各州やイスラマバード首都圏などに軍を出動させた。
シャバズ・シャリフ首相は、国民に向けたテレビ演説で、暴力的な抗議行動は許されないと警告。「法を好き勝手に扱うような犯罪者には、厳格に対処する」と述べた。
ラホールでは9日夜、カーン氏の支持者らが軍部隊司令官の自宅に侵入。シャンデリアを壊し、クジャクなどを奪い去る異様な光景が見られた。支持者らはこのクジャクについて、「市民のお金」で買われたとした。
軍は9日を「暗黒の日」と表現。再び国家の財産が狙われた場合は、抗議者たちに「徹底的な対応」を取ると警告した。
100件超の事件で訴追か
カーン氏は昨年11月、東部ワジラバードで抗議デモの行進中に脚を撃たれた。同氏は情報機関の高官によるものだとしているが、軍はこの非難を強く否定している。同氏が逮捕される前日、軍は同氏に対し、同じ主張を繰り返さないよう警告していた。
カーン氏の政党PTIによると、同氏は100件以上の裁判に直面している。同氏はそれらを政治的な動機によるものだとしている。
カーン氏の支持者は、10月の総選挙に同氏が立候補するのを現政権が禁止しようとしていると主張している。
カーン政権で人権担当相だったシリーン・マザリ博士は、カーン氏の拘束は国家による拉致に等しいとBBCに説明。「たとえ軍でも、聖域としての裁判所をこのような形で侵すとは予想していなかった」と述べた。
また、カーン氏の扱われ方や経済問題などで、国民は「激怒している」と付け加えた。
イスラマバードの高裁は、カーン氏の逮捕は合法だとの判断を示した。

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ネット利用の制限続く
パキスタンでは全国的に、携帯電話によるインターネット利用が依然として大幅に制限されている。通信当局は、内務省の指示でサービスを停止したと発表した。
学校も閉鎖が続く。高速道路は一部が封鎖されており、主要都市では交通量が激減している。
多くのアナリストは、カーン氏が2018年の選挙で勝利したのは、軍の支援を受けたためだったとみている。しかし、経済危機が深刻化する中、強大な力をもつ軍は同氏を見限ったとしている。
カーン氏は下野して以来、軍を激しく批判している。









