スペイン、非正規移民50万人に在留許可 政府が計画承認

画像提供, Getty Images
スペイン政府は14日、非正規移民約50万人に法的地位を与え、労働市場に正式に参入できるようにする計画を承認した。
ペドロ・サンチェス首相は、この決定は「正義の行為」であると同時に、スペインにとって必要不可欠なものだと述べた。
ソーシャルメディアに投稿されたスペイン国民向けの書簡の中で、社会労働党を率いるサンチェス氏は今回の大規模な合法化措置について、「すでに我々の日常生活の一部になっている50万人近い人々の現実を受け入れる」ためのものだと説明した。
保守派の野党・国民党(PP)は、この合法化は不法移民を利するもので、さらなる流入を助長することになると主張。合法化の阻止に努めると約束した。
政府の計画では、非正規移民に対して1年間の在留許可を付与する。この許可は更新可能だという。対象となるのは、スペインにすでに5カ月間滞在していることを証明できる非正規移民で、犯罪歴がないことが条件だ。申請期間は4月16日から6月末まで。
サンチェス氏は、移民たちが「私たちが今そうであり、そうありたいと望む、豊かで開かれた、多様なスペインを築く」助けになっていると述べた。
また、高齢化が進む国で、経済と公共サービスを維持するにはこうした移民が必要だとした。多くの国民がより良い機会を求めて国外へと移住した過去を持つ国にとって、今回の措置は正しい行動方針だと、サンチェス氏は述べた。
スペインには約84万人の非正規移民がおり、その大半がラテンアメリカ出身者だと、シンクタンク「Funcas」は推計している。
支持と反対
在留許可を申請するつもりだというボリヴィア出身のグラフィックデザイナー、リカルド氏は、「この措置は多くの人に恩恵をもたらし、仕事への道を開き、生活の質の向上につながるもの」だと話す。リカルド氏はこれまで、安定した職に就けずにいたという。「スペインにとっては収入源が増えるし、雇用主にとっては合法的に雇える労働者が増えることにもなる」。
野党側は、この計画に申請できる可能性のある非正規移民は約100万人に上るとして、政府の試算は誤っていると主張している。国民党はこの計画を「到底承服できないもの」だとしている。
一方でカトリック教会は、政府の計画を支持している。
非正規移民に在留許可を与えるという計画は、スペインの近隣諸国の多くが移民管理を強化する中で打ち出された。
スペインでは過去に、社会労働党と国民党の両方の政権が、移民に特別な許可を与えたことがある。直近では2005年、当時の社会労働党政権下で57万7000人が在留許可を得た。











