トランプ米政権、国際刑事裁判所の幹部を制裁対象に 赤根所長も

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トム・ベイトマン米国務省特派員
マルコ・ルビオ米国務長官は18日、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長ら幹部を制裁対象にすると発表した。ドナルド・トランプ政権はこれまでも、120カ国以上の加盟国によって戦争犯罪の捜査権限を与えられているICCを「解体」しようと、判事や主任検察官を含む同裁判所の幹部を次々と制裁対象にしてきた。
ルビオ長官は、日本出身の赤根所長とセネガル出身のアブドゥライエ・セエ上級裁判弁護士に対し、「ICCの管轄権に同意していない政府の当局者を訴追する」というICCの取り組みに関与したとして、制裁を科すと述べた。
ルビオ氏は、ICCが「腐敗し、致命的に政治化された超国家的な裁判所であり、悪意をもって権限を乱用し、与えられた任務を逸脱している。我々は、国家主権に対する(ICCの)攻撃を容認しない」と非難した。
これに対してICCは18日、「各国がICCに付与した任務の遂行に尽力する裁判官、検察官、職員を標的とした措置は、法の支配を損なう」と声明で反論。「司法関係者が法の適用を理由に脅迫されるとき、危険にさらされるのは国際法秩序そのものである」と強調した。
トランプ大統領もホワイトハウスも、今のところコメントを発表していない。
トランプ政権はすでに、ICC判事9人と主任検察官を含む、少なくとも11人のICC職員に対する制裁を発表している。
制裁措置には、資産凍結、渡航禁止、アメリカ企業からのサービス利用制限などが含まれる。
これらの制裁は、ICCがアフガニスタン駐留米軍関係者の捜査を行ったことと、ガザ地区での戦争犯罪容疑でICCがベンヤミン・ネタニヤフ首相を含むイスラエル高官に対して逮捕状を発行したことへの報復としてのもの。
ネタニヤフ首相は戦争犯罪の容疑を否定し、ICCは反ユダヤ主義に基づいていると非難してきた。アメリカもイスラエルもICCに加盟国していない。
一方、パレスチナ国家は2015年にICCに加盟した。これによって、パレスチナ領内で発生したとされる犯罪を同裁判所が審理する道が開かれた。
トランプ氏は大統領として第1期目から、ICCに対抗してきた。ICCを「脅威」と呼び、国連総会ではICCにはアメリカに対する「管轄権も正当性も権限もない」と発言した。
ルビオ氏は7月、アメリカ政府がICCを「れんがを一つずつ外すように」解体していくと主張し、その動きの一環として、ICC加盟125カ国に対し、同裁判所からの脱退を呼びかけた。
アメリカがICCへの圧力を強めるなか、アメリカ政府関係者のひとりは、誰がその呼びかけに応じ誰が応じないのかをトランプ政権は「興味深く見守る」と述べた。
ICCは2002年に設立された。加盟国におけるジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪を訴追する国際的な管轄権を有しており、国連安全保障理事会から付託された事案についても訴追の権限を持つ。
人権団体は、トランプ政権が国際法を弱体化させ、世界各国の政府による不処罰と闘う努力を阻害しようとしているとして、同政権の動きに反発している。
「トランプ政権は、自分たちが選んだ人物は誰でも、刑務所から釈放させられるようにしたいのだ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの国際正義担当ディレクター、リズ・エベンソン氏は先週の記者会見で述べた。
アメリカの主要な人権団体4団体は今月11日に、ICC解体に向けたトランプ政権の取り組みを違憲として提訴している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ、オープン・ソサエティー財団、アメリカ・フレンズ奉仕委員会、憲法権利センターは、ニューヨークで提起した訴訟において、世界各地で発生したジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪に対する正義を求めようとしても、トランプ政権の制裁措置のため、自分たちはICCと協力できなくなったと主張した。
6月には、ICC判事3人も、昨年の制裁措置は違法だとして、ニューヨークの連邦裁判所で政権を提訴した。
カナダのキンバリー・プロスト判事、ウガンダのソロミー・バルンギ・ボッサ判事、ベナンのレーヌ・アラピニ=ガンソウ判事は訴えの中で、制裁は判事を罰し、強要することを目的として、超法規的な圧力をかけるためのものだと主張した。
ホワイトハウス当局者は当時、トランプ大統領は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、合法的に権限を行使して制裁措置を科したのだと述べた。
制裁措置は、個人が日常的な金融取引を行う能力さえも著しく阻害する。アメリカと関係のある銀行、あるいはドル建てで取引を行う銀行は、いずれも制裁措置に従うことが求められるからだ。
トランプ氏が大統領に復帰して以来、政権ではルビオ氏が中心となり、ICCに対する攻撃姿勢を強めている。
ICC解体運動を発表する7月のビデオ声明の中で、ルビオ氏はICCが「法令、協定、そしていわゆる国際法の力」を用いて「我が国に対して戦争を仕掛けている」と非難した。
「今日、それは我々の政治制度と法制度のあらゆる側面を脅かしている」とルビオ氏は付け加えた。「もし(ICCが)我々の主権を奪えると考えているなら、アメリカの決意のほどが何を意味するか、その全容を我々は向こうに思い知らせることになる」とも、長官は述べていた。
(追加取材:バーンド・デブスマン・ジュニア)















