宇宙船オリオンのクルー、地球を撮影 米「アルテミス2」計画

画像提供, Nasa/Reid Wiseman
米航空宇宙局(NASA)は3日、宇宙船オリオンのクルーが撮影した地球の高解像度画像を公開した。NASAによると、オリオンが最終エンジン燃焼を終えて月へ向かう軌道に入った後にミッション指揮官のリード・ワイズマン宇宙飛行士が撮影した。
「Hello, World(こんにちは、世界)」と題された最初の写真には、広大な大西洋の青が写っている。地球が太陽に覆いかぶさり、その地球を覆う薄い大気の層が光っている。右上と左下の両極には緑色のオーロラが見える。左側に西サハラとイベリア半島、右側に南米大陸の東部が確認できる。NASAによると、右下に明るく見える小さい円は金星だという。
宇宙船オリオンは、月の周りを飛行する「アルテミス」計画の第2弾となる今回の「アルテミス2」計画で1日、米南部フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。オリオンに乗った宇宙飛行士4人は10日間にわたり、月まで飛行し、引力によって地球へと引き戻される、長いループ状の軌道をたどる。

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一連の画像は、宇宙船オリオンが地球の周回軌道を離れ、月へ向かうための月遷移軌道投入(TLI)燃焼を実施した後に撮影された。
TLIを経てオリオンは地球周回軌道を離脱し、30万キロ以上離れた月を目指している。
オリオンは現在、月の裏側を回って地球へ戻るループ軌道に入っている。人類が地球の周回軌道の外に出るのは1972年以降で初となる。
クルーは6日に月の裏側を通過し、10日に地球へ帰還する予定。

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宇宙船オリオンのミッションスペシャリスト、ジェレミー・ハンセン宇宙飛行士は、TLI完了後に4人全員が「窓に釘付けになって」外の写真を撮っていたと、ヒューストンの管制センターに伝えた。
「月に照らされた地球の、夜側の美しい眺めが見えている」とハンセン飛行士は話した。
その後ワイズマン飛行士は、クルーがあまりに熱心に宇宙を見ようとするので窓が汚れてしまったとして、管制センターに窓の掃除方法を尋ねていた。
ワイズマン飛行士は、宇宙船からこの距離で地球を撮影するのは露出設定の調整が難しく、当初は苦労したと話した。
「家の裏庭に出て、月の写真を撮ろうとするようなものだ」、「今はまさにそんな感じだ」と管制センターに話していた。
ワイズマン飛行士が捉えた別の写真では、地球の昼と夜を分ける「明暗境界線」に区切られた地球が写っている。
NASAはその後、ほぼ完全な暗闇に包まれた地球と、夜の中で人類の電灯がきらめく様子を示す別の画像を公開した。

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また、2026年に撮影された地球と、1972年にアポロ17のクルーが撮影した同様の画像を並べた写真も並べて公開した。アポロ17のクルーは、史上6度目で最後の有人月面着陸を成功させた。
NASAは「この54年間で私たちは大きく前進したが、ひとつだけ変わらないことがある。宇宙から見た私たちの故郷は、今も美しい」とコメントした。

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