プーチン氏、「あらゆる兵器使って」飛び地カリーニングラードを守ると 西側諸国に警告

ダークスーツにネクタイ姿で、笑ったような表情のプーチン氏の肩から上の写真
画像説明, ロシアのプーチン大統領
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ポール・カービー欧州デジタル編集長、アリス・デイヴィス記者

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は1日、飛び地領土カリーニングラードが直接攻撃を受けたと判断した場合、ロシアは利用可能なあらゆる兵器を使用すると述べた。

プーチン大統領は、ロシアは「誰かを脅迫しているわけではない」と主張し、この発言は単に、ロシアが2029年か2030年に戦争の準備をしていると、西側諸国の指導者たちが発言したことへの返答に過ぎないと述べた。

カリーニングラードはバルト海に面し、リトアニアおよびポーランドと国境を接している。ロシアはこのところ、北大西洋条約機構(NATO)がこの飛び地を封鎖する準備をしていると非難。西側諸国がカリーニングラードをロシア本土から切り離そうとするならば、核兵器の使用も辞さないと警告した。

NATOは事態の沈静化を図っており、自らが防衛同盟であることを強調するとともに、ロシアに「核の脅し」をやめるよう促した。

NATOの欧州加盟国は、ロシアによるものとされるハイブリット攻撃の急増に直面している。こうした事案は特に、ポーランドとバルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)で頻発している。

先週にはポーランドが、カリーニングラードに隣接する自国領空にロシアのヘリコプターが侵入したと発表。リトアニアは、ドローンが領空に侵入するなどの理由から、国民がロシアから「絶えず脅威を感じている」と述べた。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は1日、ライプツィヒ空港で爆発物が搭載されたドローンが発見された件に関連し、同国は「深刻なものも含め」さらなるハイブリッド攻撃に備えていると述べた。

ハイブリッド戦争またはハイブリッド攻撃とは、サイバー攻撃、破壊工作、偽情報などの非軍事的な手段を、軍事的な手段と組み合わせたものを意味する。

ロシアの警告とNATOの懸念

プーチン大統領はこの日、ヴァルダイ外交政策フォーラムでの演説の中で、国際紛争は今後も続く可能性が高いものの、「西側諸国の覇権」が弱まるにつれて状況は改善していくと語った。

プーチン氏は、自らが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始したにもかかわらず、西側諸国が侵略を誘発したと改めて非難し、ロシアは自衛のために武器を取ることを余儀なくされただけだと主張した。

また、ロシアによるウクライナの経済施設への攻撃は、ウクライナが黒海でロシアの石油精製施設や船舶を攻撃したことへの直接的な報復だと主張した。

「今、あらゆる方面から『やめよう』という電話がかかってきている。だが、始めたのは彼らだ」と、プーチン氏は述べた。

一方でプーチン大統領は、ウクライナが製油所への攻撃で「一定の成果」を上げ、ロシアの国内総生産(GDP)の約1%が失われたことを認めた。ウクライナは、ロシアの石油インフラがロシアの戦争資金調達を助けているため、攻撃を開始したと主張している。

ロシアはウクライナのエネルギーインフラを標的にしており、2022年に侵攻を開始して以来、冬になるたびに攻撃を強化している。その他の民間インフラも定期的に攻撃を受けており、1日には首都キーウの主要な橋がドローンによる攻撃を受けた。

バルト海に面したカリーニングラードを中心に、隣国のリトアニアとポーランド、さらに周辺のラトヴィアとベラルーシ、そしてロシア本土とウクライナの位置が示してある。カリーニングラードとベラルーシの間には、リトアニアとポーランドが国境を接する「スヴァウキ・ギャップ」がある。

プーチン大統領はまた、西側諸国が他の紛争を扇動していると非難した。

「もしロシア連邦への直接攻撃、この場合はカリーニングラードだが、他の地域の可能性もあるなかで、そうした攻撃があれば当然、ロシア連邦が保有するあらゆる兵器の使用という問題が、必然的に、そして直ちに議題に上がるだろう」

プーチン氏は、NATOがバルト海で海軍演習を実施していることはカリーニングラードに対する深刻な脅威だと非難した。そして、もしカリーニングラードが西側諸国の封鎖下に置かれた場合、ロシアは核兵器を含むあらゆる手段と力を行使する用意があると述べた。

「我々は誰かを脅迫しているわけではない。2029年、2030年、2050年に誰かを攻撃するつもりもない。しかし、もし侵略に遭遇すれば、我々は対応せざるを得ないだろう。欧州諸国の市民は、そのことを十分に認識しておくべきだ」

そのうえで、英仏などの核能力は認識しているものの、ロシアが保有する兵器は比類のないものだと述べた。

西側諸国の当局者は、自分たちがカリーニングラードに侵攻するのではなく、むしろロシアがカリーニングラードと同盟国ベラルーシとの間にあるスヴァウキ・ギャップ(スヴァウキ回廊)を利用し、そこに位置するリトアニア領土を武力で奪取しようとするのではないかと、長年懸念している。

リトアニアのミンダウガス・シンケヴィチュウス首相は先にBBCに対し、ロシアが侵攻してきた場合に備えて避難計画を策定していると発言。また、NATO軍の数千人が同国に駐留していると述べた。

NATOのマルク・ルッテ事務総長は9月30日、同盟による「演習や活動」はいずれもロシアに対する脅威ではないと強調。ロシア政府の主張は「全く不必要で、何の役にも立たない」と明言した。

プーチン氏は1日の演説で、世界の主要国が「すべての生命を根絶するか、少なくとも地球を壊滅的な結果に追い込むことができる」兵器を保有していることについてしばらく語り、残念ながらそれらが決して使用されないとは誰も断言できないと述べた。

また、そうした兵器を劇場に置かれた銃にたとえ、もし銃が演劇の冒頭で舞台上につるされていたら、必ず終わりに発砲されるだろう、と述べた。

そのうえでプーチン氏は、戦争のルールを書き換えるべきだと主張した。また、人工知能(AI)の危険性の高まりについても警告した。

「戦争の自動化とデジタル化は、戦争のゲーム化につながる。これは人類の退廃と野蛮への逆戻りを招く」