ゼレンスキー氏、米国を非難 ロシア産原油の制裁緩和を延長で

画像提供, Reuters
ポーリン・コーラ
アメリカは、欧米の制裁対象となっているロシア産原油について、同国による販売を認めた期間の延長を17日、決めた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、この決定を非難した。
今回の期間延長により、各国はロシア産原油と石油製品を、5月16日までに船舶に積み込まれたものであれば購入できるようになる。
アメリカはこの措置について、同国とイスラエルによるイランとの戦争によって引き起こされた、エネルギー供給のひっ迫を和らげるのが狙いだと主張している。
一方、ゼレンスキー氏は19日、「ロシア産原油の代金として支払われる1ドル1ドルが(ロシアにとってウクライナでの)戦争資金になる」と主張した。
2022年2月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が隣国ウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシアに対しては広範な制裁が課されている。
アメリカとイスラエルは今年2月末、イランへの壊滅的な攻撃を開始。それに対しイランは、イスラエルとペルシャ湾岸の米軍基地を報復攻撃している。イランはまた、中東地域におけるアメリカの友好国を対象に、エネルギー施設など民間施設も攻撃している。
イランはさらに、ホルムズ海峡を事実上封鎖している。この狭い水路は通常、世界の石油および液化天然ガス(LNG)の約2割が運搬船に載せられて通過する。
こうしたことから、エネルギー市場は混乱に陥っている。同海峡が早期に再開されない場合、世界的な景気後退を招く恐れがある。
ロシアの戦争資金になると批判
アメリカが3月13日にロシアに対する制裁を緩和すると、ゼレンスキー氏や、ウクライナを支援する欧州同盟国から、非難の声が噴出した。
アメリカは今回の延長措置について、戦争終結に向けた交渉が「加速」する中で、「石油を必要とする人々に確実に供給できる」ようにしたいと述べた。
ゼレンスキー氏は、ロシアが「影の艦隊」としてタンカー110隻以上を保有していると主張。制裁を回避するために所有者を隠し、石油を「1200万トン超」運んでいるとした。
そして、それらの売却によってロシアの国庫に100億ドル(約1兆6000億円)が入り、「ウクライナに対する新たな攻撃へと直接転用される資金」になると付け加えた。金額の根拠は示さなかった。
ゼレンスキー氏はまた、過去1週間ほどで、ロシアが「攻撃用ドローン2360機超、誘導航空爆弾1320発以上、各種ミサイル60発近くを、私たちの都市やコミュニティーへと発射した」とした。
これには、4月15日から翌日にかけてあった、ここ何カ月の間で最も多くの死者が出た攻撃も含まれている。この夜、700機以上のドローンとミサイルが数波にわたって発射され、少なくとも18人が殺害された。
一方、ウクライナもロシアを攻撃している。特にエネルギー施設を標的にしている。
双方が攻撃を続けているものの、ウクライナにおける戦争は行き詰まっている。ロシアがウクライナ領土の約2割を支配している状況が続いている。
アメリカの主導で戦争終結に向けた取り組みが進行していたが、イランでの戦争の影響で一時中断となっている。











