英ケンブリッジ大教授の盗用疑惑を告発した学者、ベルギーの大学で停職に

画像提供, Nathan Cofnas
マイア・デイヴィス
論文盗用疑惑の渦中にいた英ケンブリッジ大学元教授のジェイソン・アーデイ氏(41)が遺体で発見されたことをめぐり、同氏を告発した学者が、所属するベルギーの大学で停職となった。
停職とされたのは、「人種リアリスト」を自称するネイサン・コフナス氏。アーデイ氏の研究と業績を疑問視する発言を繰り返していた1人で、それをきっかけとしたアーデイ氏の盗用疑惑は、アーデイ氏が今月14日に死亡する数週間前から持ち上がっていた。
コフナス氏は、「アーデイに対する差別行為」の疑いで、所属するゲント大学の調査を受けていると説明した。
同大学は、職員1人に対して「懲戒処分の予備調査」を通知し、事前措置として停職にしたと発表した。学長と副学長は声明で、「ゲント大学の博士研究員がこの件に関して最近、公に行った複数の発言を非常に深刻に」受け止めており、「適切な措置」を講じたとした。
学長らはまた、同大学が「人間の尊厳を尊重し、差別、憎悪、人種差別に反対している」と強調。「意見が対立する場合においても、学問の自由と開かれた学術的議論を重視している。だが、その自由は無制限ではない」とした。
そして、「それは責任と密接に関係しており、他者の権利を保護するため、制限されることもある」とした。
学長らは声明でさらに、アーデイ氏の死は世間に「内省を促す」べきだと主張。「学術界の内外を問わず、特に人が公の論争の対象となった場合、私たちは互いにどのように接するべきか」の教訓を得るべきだとした。
コフナス氏のウェブサイトによると、同氏はゲント大学の哲学・道徳科学学部で博士研究員として勤務している。
コフナス氏はかつてケンブリッジ大学で研究職に就いていたが、黒人は真の能力主義の下では「スポーツやエンターテインメント以外のほとんどの要職から姿を消すはずだ」という主張が非難され、2024年に解任された。

コフナス氏は、アーデイ氏の著作を盗用検出ソフトウエアで分析した結果、「多くの文章が最小限の編集で盗用されており、場合によっては元資料の校正ミスがそのまま残っている」ことが分かったと主張した。
また、退職した教授がかつて、アーデイ氏の学術論文について懸念を表明し、それを受けて学術誌2誌が訂正を出したとした。
アーデイ氏をめぐっては、マラソンを35日間で30回走ったという主張や、慈善目的で3日間で300マイル(約480キロメートル)を走破して500万ポンド(約10億8500万円)超を団体に寄付したという主張、6日間で600マイル(約965キロ)をランニングマシンで走ったという主張も、疑問視された。
アーデイ氏は2023年、ケンブリッジ大学史上最年少の黒人教授となった。教育社会学の教授を辞任した翌週、ロンドン南部バタシーで遺体で発見された。
それまで何週間かにわたり、アーデイ氏の盗用疑惑や業績に関する疑問を多くのメディアが報じた。同氏はこれらの疑惑を否定していた。










