破綻した中国恒大の創業者に無期懲役、 不動産市場を「深刻な混乱」に陥れたと

黒い服を着た許被告が裁判所で被告人の印がついた証言台に立っている。両脇には水色の制服を着た2人が立っている。背後には傍聴人がいる

画像提供, Shenzhen Intermediate People’s Court/WeChat

画像説明, 中国恒大集団の創業者の許家印被告
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オズモンド・チア・ビジネス記者

中国広東省深圳市の中級人民法院(地裁)は20日、同国の不動産大手、中国恒大集団(エバーグランデ)の創業者に対し、無期懲役の判決を言い渡し、全財産の没収を命じた。恒大は2021年に債務不履行(デフォルト)に陥り、中国の不動産市場低迷の引き金となった。

許家印被告は4月、資産横領や企業ぐるみの贈収賄など複数の罪状について、有罪を認めていた。

国営メディアによると、裁判所は許被告が率いていた複数の企業についても、記録の偽造や債務の隠蔽(いんぺい)などいくつかの犯罪行為を認め、計158億2000万元(約3700億円)の罰金を科した。

今回の判決は、中国の不動産セクターを揺るがし、投資家や国内銀行に大きな打撃を与えた恒大の破綻において、重大な節目となる。

国営新華社通信によると、裁判所は、許被告とその企業が中国の不動産市場を「深刻な混乱」に陥れ、多大な経済的損失をもたらしたと認定した。

許被告の2人の息子を含む恒大幹部らも、懲役1年10カ月~18年の刑を言い渡されたという。

かつてアジア一の富豪とされた許被告は、同社が破綻するにつれ、富と影響力を失った。

中国の農村部の貧しい家庭に生まれ、祖母に育てられた。不動産開発に乗り出し、1996年に恒大を設立した。

多額の借り入れで資金を調達し、積極的に事業を拡大させる手法によって、会社の急成長を指揮した。

恒大は中国最大の不動産開発企業となり、時価総額は一時500億ドル(約7兆9000億円)を超えた。

2020年、中国政府が国内不動産セクターの債務抑制策を導入したことで、恒大は大きな打撃を受けた。

同社は債務の利払いに苦しみ、経営を続けるため、不動産を大幅な割引価格で売却した。だが、2021年に債務不履行に陥った。

今年4月の裁判では、同社が住宅購入希望者から何百万ドルもの前払い金を受け取りながら、それを建設資金に充てていなかったことが明らかになった。

その資金は新たな不動産開発に投じられていた。結果として、何百件もの未完成プロジェクトが残った。

許被告は2024年3月、自らの会社が収益を780億ドル過大計上したとして、650万ドルの罰金を科された。同時に、中国の資本市場から永久追放された。

恒大の時価総額は、2025年8月に香港証券取引所で上場廃止となるまでに99%縮小した。同社の株は同取引所で15年以上にわたり売買された。

恒大の破綻は、中国の不動産市場全体の低迷の原因とされることが多い。

恒大は最盛期、中国で最大の不動産企業だった。そのころ、中国の国内総生産(GDP)の約3分の1を不動産業界が占めていた。

不動産市場は成長の重要な原動力となり、地方自治体にとって重要な歳入源にもなっていた。

現在も続く不動産業界の問題は、世界2位の中国経済にとって大きな重荷となっている。他の主要な開発業者も財政難に直面している。