米司法省、オープンAIのサウジアラビア人技師を起訴、オフィスに「高度」な録音装置を仕掛けた疑い

機械の裏側の向こう、白い壁を背にひげをたくわえた男性が隙間を除いている様子の写真。男性の顔が赤い丸で囲われている
画像説明, 米司法省は、被告が秘密録音機を確認する様子だという監視カメラ映像を公開した
Published
この記事は約 4 分で読めます

米司法省は13日、米カリフォルニア州にあるオープンAIのオフィスの一つに、同社エンジニアのサウジアラビア人男性が密かに録音装置を設置したとして、連邦法違反の罪で起訴したと発表した。

司法省は、電子・機械・その他の装置を用いて口頭の会話を傍受もしくは傍受しようとした罪で、アブドゥルラフマン・アルフォザン被告(35)を起訴したという。

オープンAIは、サンフランシスコのオフィスに「高度な録音装置」が隠されているのを発見し、米連邦捜査局(FBI)に通報したと発表した。同社はAIモデルを使い、録音装置を仕掛けたのは従業員だと突き止めたとしている。

司法省によると、トイレットペーパーに包まれた録音装置は、役員会議室のテレビ背面にあるUSBポートに差し込まれた状態で発見された。

人気の生成AIチャットボット「チャットGPTを開発したオープンAIは、今回の事件でソースコード、モデルの重み、顧客データ」が不正にアクセスされたり、持ち出されたりした形跡はないと述べた。被告はすでに解雇されたという。

司法省の発表でFBIのカシュ・パテル長官は、「本日公表された訴状によると、アブドゥルラフマン・アルフォザン被告は、(オープンAIの)超知能技術について機密性の高い通信を密かに傍受するため、勤務先の役員会議室に録音装置をひそかに設置した疑いがある」と述べた。ドナルド・トランプ米大統領は先に、「AI(人工知能)」という名称が「偽物」のように聞こえるとして、呼称を「超知能」(SI、スーパーインテリジェンス)に変更する大統領令に署名した。

司法省によると、被告は2025年7月からエンジニアとしてオープンAIに勤務していた。同社従業員が9月30日にこの装置を発見した。調べによると、これは装置が設置されてから2日後のことだった。装置は暗号化されていたという。

オープンAIは、自社のAIモデルを使い「装置とその出所を理解し、特定の従業員が数日前に設置したことを特定できた」と述べた。

FBIによると、被告は「生産性向上ツール」と「チャットボット」を使い、オープンAIの機密性の高い場所や、盗聴器を秘密裏に設置する方法を調べていたという。

司法省は、被告が検索したとされるチャットボットのプロンプト(指示)には、「デバイスの構築、カスタマイズ、インストール、音声録音、テスト、難読化、およびリモートアクセス」が含まれていたと説明。

被告はさらに、チャットボットを使い「連続音声録音装置の構築」「Wi-Fi接続のカスタマイズ」「音声とライブリスニングの改善」「SDカードの暗号化」についても、情報を求めたとされる。

機械の裏側につけられた装置が赤丸で囲われている写真と、装置をアップで撮影した写真が並べてある
画像説明, 録音装置はトイレットペーパーの中に隠されていたとされている。

司法省によると、被告は10月5日にオフィスの会議室に戻り、問題の装置を点検したとされる。検察側は、被告が現場にいた証拠として防犯カメラの映像を公表した。

アルフォザン被告は同日、建物の別の場所にかばんを置き忘れた。調べによると、オープンAIの警備チームがそのかばんを開けたところ、財布と身分証明書のほかに、会議室で見つかったものと同様の録音装置を発見した。

被告は13日に初出廷した。弁護人の有無ははっきりしない。

有罪となった場合、最高5年の拘禁刑と25万ドル(約4000万円)の罰金刑が言い渡される可能性がある。