イスラエル、ヒズボラ攻撃強化を首相が表明 軍はレバノン各地攻撃

灰色の多層階の集合住宅を背に、同じ色のがれきが手前に散乱する中、黒いTシャツにブルージーンズの若い男性が、左手にクマのぬいぐるみを持っている。その斜め前には別のクマのぬいぐるみが、がれきの合間に倒れている。

画像提供, Reuters

画像説明, イスラエルによって夜間に攻撃されたレバノン南部の住宅のがれき(23日、ティール)
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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は25日夜、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃を強化すると発表した。これを受けてイスラエル国防軍(IDF)は、レバノンの東部ベカー渓谷(高原)および他の地域においてヒズボラに対する攻撃を開始したと発表した。

ネタニヤフ首相はビデオ声明で、イスラエルは「ヒズボラと戦争状態にある」と述べ、軍に対して「壊滅的な打撃を与える」よう命じたと表明した。

ネタニヤフ氏は、ヒズボラに対するイスラエルの軍事攻勢で「600人以上のテロリストを排除した」と述べた。

さらに、「しかし今、我々に求められているのは、攻撃を増やし、強度を高めることだ」と述べた。

動画説明, イスラエルがレバノン南部ティールを砲撃した

イスラエルの極右閣僚、ベザレル・スモトリッチ財務相とイタマル・ベン・グヴィル国家安全保障相は、レバノンの首都ベイルートへの攻撃拡大を含め、軍事作戦の拡大を要求している。

ヒズボラはイスラエルによる「停戦違反」への対応として、25日にレバノン南部およびイスラエル北部の22カ所をドローンとロケット砲で報復攻撃したと述べた。標的にはイスラエルの兵、戦車、兵舎、建物が含まれていたとした。

レバノンとイスラエルは今月15日、45日間の停戦延長に合意したが、一部では戦闘が続いている。

レバノンがイスラエルの北にある様子を示す地図

正式な外交関係を持たないレバノンとイスラエルの当局者は、米首都ワシントンで来週さらに交渉を行う予定。

レバノンのジョセフ・アウン大統領は、イスラエル軍のレバノン南部からの全面撤退を求めている。

4月16日の停戦合意以来、イスラエルのレバノンに対する攻撃は主に、イスラエル軍が駐留を続ける南部に限定されてきた。イスラエルは、この地域からイスラエルに向けてドローンやロケットが発射されていると述べている。

25日夜に攻撃されたベカー高原はレバノン東部にあり、シリア国境に近い。

イスラエルが軍事作戦を拡大させる一方、イランはアメリカと交渉が続く和平合意について、中東地域の全ての戦線での完全な停戦が含まれるべきだと主張している。ヒズボラとイランは同盟関係にある。

イスラエル政府は、ヒズボラに対する戦闘終結に反対してきた。

レバノンとの最初の停戦合意以降、イスラエル兵10人が殺害されている。この期間にレバノンでは、イスラエルの激しい空爆により400人以上が殺害されており、その中には多くの救急隊員や緊急対応要員が含まれている。

イスラエルは毎日のようにレバノン南部で、住民の退避を命じる地域を増やしている。すでに100万人を超える住民が避難を余儀なくされ、この人数は増え続けている。

アメリカとイスラエルが2月28日にイランに対して戦争を開始したのを機に、戦いにレバノンが巻き込まれた。ヒズボラは、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師(当時)を米・イスラエルが殺害したことの報復として、イスラエルにロケット弾を発射した。

イスラエルはこれに対し、レバノン全土への空爆および地上侵攻で対抗。レバノン保健省によると3000人以上がイスラエルの攻撃で殺害されている。

レバノン政府はヒズボラを武装解除しようと取り組んでいるが、その完了には停戦が必要だと主張している。