EU、中国「Temu」に370億円の罰金 違法製品の販売めぐり

中国発の低価格通販サイト「Temu」のウェブサイトが表示されたスマートフォンの画面のクローズアップ写真

画像提供, EPA

Published
この記事は約 4 分で読めます

欧州連合(EU)の執行機関の欧州委員会は28日、中国発の低価格通販サイト「Temu」(テム)が自社プラットフォーム上で、安全上のリスクがある乳幼児向け玩具や、欠陥のある充電機器などの違法製品の販売を容認していたとして、Temuに2億ユーロ(約370億円)の罰金を科した。

欧州委員会はTemuについて、製品の体系的リスクや、消費者に与え得る危害を「十分な注意を払って特定、分析、評価することを怠った」と指摘した。

Temuは、EU法に基づく「超大規模オンラインプラットフォーム」(VLOP)としての義務の履行をめぐり、2024年10月から調査対象となっていた。

同社は今回の判断には同意できず、罰金は不釣り合いだと主張。今後の対応を検討しているとしている。

基準値を超える化学物質、窒息の危険も

EUの調査では、独立した試験機関によるミステリーショッピング(調査員が一般消費者の立場から商品や店舗、企業サービスを評価する覆面調査)が実施された。その中で、Temuで購入した充電器の多くが、基本的な電気安全試験の基準を満たしていないことが判明した。また、乳幼児向け玩具についても、法定基準を超える化学物質が含まれていたり、窒息の危険がある取り外し可能な小さな部品を備えたりしているものが、高い割合で見つかったと、欧州メディアのユーロニュースが伝えている。

Temuは罰金の支払いに加え、8月28日までに是正計画を提出する必要がある。欧州委員会はその後2カ月間で、Temuが十分な対応策を講じたかを判断する。

EUのヘンナ・ヴィルクネン技術担当責任者は、今回の決定はTemuに対して「非常に強いメッセージ」を発信することを意図したものだと、記者団に述べた。

Temu、「現状を反映していない」と反論

Temuの広報担当者は声明で、同社は明確かつ一貫した規則の必要性は尊重するとしつつ、今回の判断は2024年当時の状況に関するもので、現在のシステムを反映していないと主張した。

「当社は、欧州委員会の判断には同意しない。罰金は不釣り合いだと考えている」

同社は、「今回の決定を慎重に精査し、利用可能なすべての選択肢を検討している」としている。

一方で、英消費者団体「ウィッチ?」はEUの判断を称賛し、イギリスもこれに追随すべきだと訴えた。

同団体の消費者保護政策責任者スー・デイヴィス氏は、「Temuに2億ユーロの罰金を科すというEUの決定は、危険な商品の販売についてオンライン・マーケットプレイス側に責任を負わせるために必要な、厳しい対応の好例だ」と述べた。

さらに、「英政府もEUの例に倣い、製品規制・計量法に基づく新たな権限を活用して、危険な商品についてオンライン・マーケットプレイスに法的責任を負わせるべきだ」とした。

EUのデジタルサービス法(DSA)に基づく罰金措置の適用は、今回で2例目。初めて適用されたのは昨年12月で、米富豪イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディア「X」に1億2000万ユーロ(約220億円)の罰金を科した。