ウクライナが黒海沿岸の港湾攻撃、ロシアの穀物輸出ターミナルや海軍基地など

画像提供, Volodymyr Zelensky/Telegram
ラウラ・ゴッツィ記者
複数情報によると、ロシア南部クラスノダール地方の黒海沿岸で11日夜から12日朝にかけて、主要港ノヴォロシースクにある国内最大規模の穀物ターミナルが2カ所、ウクライナのドローンやミサイル攻撃を受け、稼働停止した。黒海沿岸に残る最後のロシア海軍基地も攻撃されたという。一方、ロシアは11日から12日にかけて、ウクライナ各地に対し夜間空爆を行い、少なくとも11人の民間人を殺害した。
ノヴォロシースク当局によると、夜間の襲撃で8歳の子供を含む3人が死亡、24人が負傷した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアで、ロシア軍基地を攻撃するためにウクライナがロケット弾、ジェット機、海軍ドローンを発射する「前例のない作戦」を実施したと発表した。穀物ターミナルへの攻撃には言及しなかった。
ウクライナ軍はその後、フリゲート艦2隻を含むロシア軍艦4隻を直撃したと発表した。ロシアはこの件についてコメントしていない。
「ロシアの侵略が続く限り、占領艦隊とそれを支えるすべてのインフラは、決して安全ではいられない」とゼレンスキー大統領はソーシャルメディアで述べた。
ロシアの黒海艦隊の大部分は、ロシア有数の港のノヴォロシースクに停泊している。ロシア占領下のクリミア半島にある旧本拠地セヴァストポリが、ウクライナに攻撃され過ぎたため、ノヴォロシースクへの撤退を余儀なくされていた。
現地の大手穀物商社はロシアのタス通信に対し、自社ターミナルが攻撃されたことを認めた。別の企業もロイター通信とロシアのメディアRBKに対し、同様の事実を伝えた。
ロシア農業省は12日、貨物輸送の流れをバルト海とカスピ海の港湾、および陸路に振り向けるための取り組みを進めていると発表した。ウクライナの攻撃については一切言及しなかったものの、「現在の物流上の制約を考慮している」と述べた。
複数情報によると、ノヴォロシースク上空では夜通し爆発音が鳴り響き、防空部隊が空中目標を撃墜した。
12日には港湾周辺へのドローン攻撃で水道管が損傷し、市内の給水が停止したため、市内に非常事態宣言が出された。
同地域の別の場所では、ドローンの残骸によって男性1人が死亡したと、ヴェニアミン・コンドラティエフ州知事が述べた。コンドラティエフ知事によると、周辺のクラスノダール地方でも夜間に「数百機のドローン」が複数の場所に飛来し、住宅を含む数十棟の建物が被害を受けたという。
一方、ロシアは11日から12日にかけて、ウクライナ南部ザポリッジャ、東部ドニプロ、首都キーウなどを弾道ミサイルと滑空爆弾で夜間に空爆し、多くの民間人を殺害した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年2月に、ウクライナへの本格的な侵攻を開始した。
両国は今年夏、黒海で互いの港湾や船舶への本格的な攻撃を再開した。
ロシアはこれまでもウクライナの貨物船や主要港オデーサ港を徹底的に攻撃し、ウクライナの海上輸送に深刻な打撃を与えてきた。ウクライナ農業ビジネス協会(UCAB)は今年7月、輸出が23%減少したと報告した。
一方、ウクライナはロシア領土への長距離攻撃の能力をますます高めている。黒海東部でこのところ続けている船舶攻撃は、ロシアの穀物輸送にも支障をきたしている。
ロシアは世界最大の小麦輸出国だが、首都モスクワに拠点を置く分析会社によると、黒海とアゾフ海の混乱の影響で、8月の輸出量は過去5年間の同月比で半分以下に減少する可能性があるという。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は12日、ウクライナがロシアの穀物と農業インフラを攻撃したと非難。この攻撃の影響で、世界の食料価格が高騰し、穀物不足が深刻化していると述べた。
しかしザハロワ報道官は、アゾフ海と黒海での脅威が完全に排除されるまで、「(ウクライナ軍が)黒海での航行を不安定化させるために使用する施設」に対し、ロシアは攻撃を続けるとも述べた。
ウクライナ戦争が世界の食糧供給に与える影響については、2022年のロシアによる侵攻開始以来、懸念が根強く続いている。
ロシアとウクライナは、世界の穀物貿易において大きなシェアを占めており、特に北アフリカ、中東、アジアの一部地域の買い手にとって重要な存在となっている。
ロシアがウクライナの農産物輸出に対する封鎖を解除することに合意した2022年7年の黒海穀物イニシアチブは、モスクワがオデッサへの海上回廊を利用する船舶への攻撃を再開したため、2023年7月に失効した。















