【2026年サッカー男子W杯】 トランプ氏、FIFAに米選手の出場停止見直し求めたと認める 試合はベルギーが勝利

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サッカー男子ワールドカップ(W杯)北中米大会で、アメリカ代表FWフォラリン・バログンが受けた1試合の出場停止処分が猶予されたことをめぐり、アメリカのドナルド・トランプ大統領は6日、国際サッカー連盟(FIFA)に処分の再検討を要請したことを認めた。その後にあったアメリカ対ベルギーの試合には、バログンが先発出場。ベルギーが4-1でアメリカを破り、ベスト8入りを果たした。
バログンは1日(日本時間2日)のノックアウトステージ(決勝トーナメント)1回戦のボスニア・ヘルツェゴヴィナとの試合で、相手のDFタリク・ムハレモヴィッチに対するファウルで一発レッドカードを受けた。アメリカはこの試合に勝ったが、バログンは自動的に、決勝トーナメント2回戦のベルギーとの試合は出場停止となった。
しかしFIFAは5日になり、この処分を1年間猶予すると発表。バログンは米シアトル・スタジアムで6日午後5時(日本時間7日午前9時)キックオフのベルギー戦に出場できることになった。バログンは今大会、3ゴールを挙げていた。
試合は、前半の早い時間帯にベルギーのFWシャルル・デ・ケテラーレが先制ゴールを挙げた。アメリカは前半中盤、MFマリク・ティルマンのフリーキックで同点に追いついたが、直後にベルギーはデ・ケテラーレがヘディングでこの試合2点目を決め、再びリード。ベルギーは後半にも2点を追加し、アメリカに3点差をつけて勝利し、準々決勝に進出した。
この試合でバログンの出場停止処分を猶予したFIFAの決定をめぐっては、欧州サッカー連盟(UEFA)、ベルギー代表チーム、イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督など、多くが批判している。
ベルギー王立サッカー協会(RBFA)は試合前、FIFAの決定に「驚いている」として異議を申し立てたが、FIFA上訴委員会はベルギーが当初の決定の当事者ではなく利害関係者ではないとして、これを却下した。RBFAはその後、米国サッカー連盟に対し、バログンの「出場資格に異議を唱える」と伝えたという。
そうしたなか、トランプ氏は6日、試合前にホワイトハウスで、FIFAは「正しい判断をした」と発言。仮に処分がそのままだったら、大会に「大きな汚点」を残しただろうと述べた。
トランプ氏は、「あれがファウルだとは思わなかった」ため、FIFAに判定の見直しを求めたと説明。自分自身がFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長と話をしたと認めた。ただし、再検討を求めただけで、処分を猶予するよう伝えてはいないとした。インファンティーノ氏はスイス出身。
トランプ氏は、「私が彼らにどうすべきか指示することはできない。決定を出したのは彼らだとは思わない。決定を出したのは委員会だったと思う。そしてそれは正しい決定だった」と述べた。
また、バログンを退場とした審判ラファエル・クラウス氏の判断を「ひどい」ものだったとし、ブラジル出身の同氏を「少し疑わしい」と評した。
一方、インファンティーノ氏はソーシャルメディア「X」で声明を発表。トランプ氏から電話を受けたとし、「FIFAの独立司法機関が関わっている法的プロセスが進行中で、適切な機関によってしかるべき時期に決定が出される」と伝えたのだと説明した。
BBCスポーツがFIFAに、トランプ氏の発言についての見解を尋ねると、「これ以上は何もない」との回答だった。
インファンティーノ氏はその後、FIFAの司法機関は「独立」しており、その決定は「常に尊重されなくてはならない」と主張。「FIFA懲戒委員会の決定が出たら、私は読む。驚くこともあるし、賛成できる時もあれば、賛成できない時もある」と述べた。
そして、「だが私が常に、そうした決定と、それを出す機関の自律性を尊重している。決定が、個人的に好きかどうかは関係ない」、「独立機関と法の支配への尊重こそ、私たちの競技の公正さとFIFAの信頼性を常に守る」とした。
危険な前例との批判も
イングランド代表のトゥヘル監督は、今回のFIFAの決定は危険な前例になるとしている。
イングランドは5日(日本時間6日)にあった決勝トーナメント1回戦のメキシコとの試合で、DFジャレル・クアンサが退場処分を受けた。そのためクアンサは、11日(同12日)のノルウェー戦への出場を停止されている。
トゥヘル監督は、「どこで線引きをすべきか。私はそこを聞きたい」、「私にはその答えがない」と発言。
「イエローカードがイエローカードではない場合、異議を申し立てるべきなのか? レッドカードではないと私たちが思うのか、それとも誰がそう思うのか? これはどこから始まってどこで終わるのか? それが私の疑問だ。私には答えがない」とした。
UEFAも、大会での出場停止処分を事実上取り消すための介入は「一線を越えた」行為だと批判。サッカーの健全性が脅かされているとした。
ブラジルサッカー連盟(CBF)は、トランプ氏が「少し疑わしい」と評した同国出身の審判のクラウス氏を擁護。「彼の経歴には、彼をおとしめるようなことや、疑いを抱かせるようなことは一切ない。彼は模範的なプロフェッショナルだ」とした。
W杯の歴史ではこれまで、レッドカードが約190枚出されている。そのうち出場停止処分を免れた選手は、バログンを除くと、1962年大会のブラジル代表のガリンシャ選手だけだった。当時は自動的な出場停止処分は存在せず、政治的な干渉が疑われた。
今大会はこの日、決勝トーナメント2回戦がもう1試合あり、スペインが後半アディショナルタイムのMFミケル・メリノのゴールで1-0でポルトガルを下し、ベスト8入りを決めた。
ポルトガルのFWクリスティアーノ・ロナウドはこれで、W杯でのキャリアを終えた。












