カナダが米中間選挙に「干渉している」と在オタワ米大使館が非難 カーニー政権は否定

ダークスーツ姿のカーニー氏が、マイクに向かって話している。後方にはダークスーツ姿のフォード氏が立ち、カナダ国旗が並んでいる
画像説明, カナダのマーク・カーニー首相(右)とオンタリオ州のダグ・フォード州首相は、カナダが米中間選挙に干渉しているというアメリカの主張を定している。画像は記者会見に臨むカーニー氏とフォード氏(2025年12月、オンタリオ州オタワ)
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カナダの首都オタワにあるアメリカ大使館は21日、米中間選挙を11月に控える中、カナダ当局がアメリカの選挙に干渉していると非難した。

米大使館は、カナダの指導者たちが、「干渉の可能性」をめぐる懸念を軽くあしらっていると指摘。閣僚や州首相たちが「公式文書や公の場で、米政治に影響を与えようとする計画について公然と述べている」と主張した。

マーク・カーニー首相をはじめとするカナダの指導者たちは、こうした主張を一蹴している。北米の隣国であるアメリカとカナダの関係は、第2次トランプ政権下で冷え込んでいる。

米中間選挙では、連邦上下両院を掌握する政党が決まる。選挙結果は、ドナルド・トランプ大統領の残りの任期に大きな影響をおよぼす可能性がある。

米民主党関係者との会談や関税などを問題視

在オタワ米大使館が21日に公表したファクトシートは、カナダ政府について、「閣僚や州首相たちが公式文書や公の場で、アメリカ政治に影響を与えるための計画について公然と述べているにもかかわらず、アメリカの選挙への干渉の可能性をめぐる懸念を軽くあしらっている」と主張している。

同大使館は、カナダ当局者と米野党・民主党の関係者の会談や、アメリカに対する報復関税を求める発言などを例にあげている。

具体的には、カナダのメラニー・ジョリー産業相が、米民主党が中間選挙で勝利した場合の関税政策について問われた際、「まさにそのために、私は多くの州首相や、大統領候補となり得る人物と面会している」と答えたとしている。

また、オンタリオ州のダグ・フォード州首相について、トランプ政権の「支持基盤にとって政治的に重要な州」からの輸入品を対象とする追加の報復関税を検討するよう、カナダ連邦政府に働きかけたと主張した。

カナダのカーニー首相は21日、こうした疑惑について問われると、カナダに対する貿易措置を最初に始めたのはアメリカの方だと指摘した。

「我々はカナダの雇用と企業を守り、この国の経済を発展させるために対応してきた」と、カーニー氏は述べた。

そのうえで、カナダ政府の対応は「カナダの労働者や家庭、この国の経済の将来の利益のため」だとした。

カーニー氏はこの日、アメリカの関税措置への対応として、約90億カナダドル(約1兆120億円)規模の支援策を発表した。会見にはジョリー産業相とフォード州首相も同席した。

選挙干渉に「全く興味がない」とオンタリオ州首相

フォード州首相は、米選挙への干渉には「全く興味がない」と述べた。

「アメリカ国民が何を望んでいるか教えよう。それは確実性と安定だ」とフォード氏は述べ、自分はオンタリオ州とカナダのことに注力していくと付け加えた。

「米中間選挙でその判断を下すのは、アメリカ国民だ」

カナダのCBCによると、ジョリー産業相は先週、カナダによる選挙干渉を否定。カナダ国民は、「カナダで、自分たちに対して同様の行為が行われることも決して容認しない」と述べた。

ジョリー氏は、最近のアメリカ訪問について、米企業からカナダへの「投資を呼び込むため」のものだったと説明し、今後もそうした働きかけを継続する考えを示した。

アメリカとカナダはここ数カ月、関税や貿易、カナダによる対抗措置の影響をめぐり対立している。

今月初めには、アメリカのピート・ホクストラ駐カナダ大使が、選挙干渉の兆候がないか、米当局者がカナダの政治家たちを「注視している」と警告した。

一方、トランプ政権関係者は、カナダ西部アルバータ州で19日に行われた、カナダからの分離独立へ向けて法的手続きを開始するかどうかを問う住民投票について、不適切な発言をしたと非難されている。

「カナダとアメリカの外交関係を損なっている」として、ホクストラ駐カナダ大使の解任を求める請願には、28万人以上の署名が集まっている。