フランス各地で物価高などに抗議のデモ、マクロン大統領は「冷静と秩序」呼びかけ

白い建物が左右に並ぶ通りの中央で炎が燃え、その前でマスクをしてフード付きパーカーを来た人がプラカードを頭上に掲げてカメラに真正面から向かっている
画像説明, パリの抗議に参加した人が「教育6年、学位ひとつ、毎日9件の不採用通知」と書かれたプラカードを手にしている(18日、パリ)
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フランス各地で17日から18日にかけて、物価高や学校など公共サービスの悪化に抗議するデモが多発する中、エマニュエル・マクロン大統領は19日、「冷静と秩序」を呼びかけた。約55万人が参加した抗議行動はおおむね平和的だったが、一部で暴動や略奪があり、パリでは18日にも混乱が続いた。フランス内務省によると、警察は約2400人を逮捕した。

マクロン大統領は国民への演説で抗議の参加者に対し「事態をエスカレートさせない」よう警告し、「我々は全員が怒りと屈辱を感じている」と述べた。

大統領は、抗議参加者の「正当な要求」と、「破壊行為や略奪行為を行った者」とは区別しなければならないと強調。一部で見られた「無軌道」な暴力行為は「どのような理由でも正当化されない」と述べ、関係者は裁きを受けることになると話した。

18日には、パリとリヨンの一部地域で、小規模ながら略奪行為や警察との衝突が続いた。その他の町や都市でも、黒い服を着てマスクや目出し帽をかぶった暴徒集団が現れ、車や建物に放火する者もいた。

AFP通信によると、パリでは数百人に向けて催涙ガスとスタン手榴弾が発射され、警察に向けて瓶や石が投げつけられた。

中部リモージュでは17日、19世紀に建てられた華やかな装飾の市庁舎が、暴徒による火災に焼かれ、時計塔と屋根が崩落した。

夜空を背に、繊細な装飾の塔からオレンジ色の炎と煙が出ている。建物内部が赤く燃えている
画像説明, 抗議行動の最中に燃え上がるリモージュ市庁舎(17日、フランス中部リモージュ)
黒焦げたがれきが床に散乱する建物内の様子
画像説明, リモージュ市庁舎内部の被害状況(18日朝)

廃墟となった建物の近くで、住民のアネイズさんは「本当にひどい。政府に腹が立つからといって、歴史的建造物を傷つけるなんて、身勝手だと思う。みんなが傷つくことになる」と述べた。

「ひどい話で信じられない」と、ジェラールさんは話した。「とても悲しいし、元の状態に戻すには長い時間がかかると思う」。

パリでは18日早朝、商店主たちが大きなガラスの破片を拾い集める姿が見られた。一部の大きな通りでは、ごみ収集車ががれきを撤去していた。

燃える火のそばに立つ、マスクをした人々の集団
画像説明, パリでは18日、小規模な騒乱が発生し、放火や商店の略奪が起きた

マクロン大統領は、地方の知事や市長が商店や公共施設を保護するための措置を策定すると述べた。

大統領はまた、デモに対する警察の対応について「完全な透明性」を確保すると述べた。

警察は週末、群衆に向けて催涙ガスと放水銃を使用。また、複数の場所で機動隊が警棒で人々を殴打する様子が目撃された。

フランス内務省によると、17日に約1000人の警察官が負傷し、うち7人が重傷を負った。

暗い路上を炎が赤く照らす中、黒い影になった人がバケツを手に道を歩いている
画像説明, 火を消そうとする人(18日、パリ)

フランスで9月から始まった生徒の抗議活動は、労働組合やその他の反政府団体の関係者が加わったことで、17日に著しく激化した。

来年4月の大統領選を控えるフランスでは、週末のデモに対する与野党政治家たちの反応が、国内の政治的分断の深刻さを浮き彫りにした。大統領選では、極右勢力と極左勢力が激しく対立する可能性がある。

ローラン・ヌニェス内相は、デモは基本的な権利だと述べる一方、公共の建物を標的にし、警察と衝突すると決意していた「数千人の極左勢力」による「暴挙」があったと批判した。

内相はさらに、そうした極左勢力に「ならず者」たちが後から加わり、「フランスの複数の都市で多数の商店を略奪し、破壊した」と批判した。

極左政党「不服従のフランス」のジャン=リュック・メランション党首は、ヌニェス内相と警察幹部をソーシャルメディアで激しく批判した。

メランション党首は、内相と警察がデモ対応で「完全な無能ぶりを示した」と述べ、内相たちは「組織的な混乱の専門家」だと呼んだ。

一方、極右「国民連合」(RN)を率いるマリーヌ・ル・ペン党首は、「暴力を扇動する政治勢力が国民の怒りを「悪用」していると非難した。