イギリスの11歳少女、史上最年少のウーマン・グランドマスターに

黒髪の少女がチェスの駒を動かしているのを正面から撮った写真。少女は眉間に赤く丸いビンディーをつけ、額に白い横棒のティラカを塗っている
画像説明, シヴァナンダンさんは、新型コロナウイルスのパンデミック中にチェスを始めた
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フローレンス・フリーマン記者

イギリスの11歳のチェス選手がこのほど、女性プレイヤーに与えられる最高位のタイトル「ウーマン・グランドマスター(WGM)」を獲得し、史上最年少記録を塗り替えた。

国際チェス連盟(FIDE)は27日、ロンドン北西部出身のボダナ・シヴァナンダンさんが、ウズベキスタンの首都サマルカンドで開催された第46回チェス・オリンピアードにイングランド代表として出場し、WGM獲得に必要なノーム(達成条件)の最後の一つを得たと発表した。

FIDEの取材に対しシヴァナンダンさんは、今回の成果はうれしいとしつつ、「これからも歴史を作り続けたい」と話した。

シヴァナンダンさんはすでにイギリスの最年少チェスチャンピオンで、種目を問わずあらゆるスポーツで国際大会に出場した、最年少のイングランド代表選手でもある。

シヴァナンダンさんは今回、イングランド代表のトップボード(チームのトップ選手に与えられる席)で全11ラウンドを戦い、8点を獲得して大会を終えた。

FIDEの認定タイトルを獲得するには、タイトルごとに定められたノームを三つ取得し、かつレーティングの基準も満たす必要がある。シヴァナンダンさんは、すでにWGMのノームを二つ取得し、WGM獲得に必要なレーティング2300点もクリアしていた。

FIDEのインタビューでシヴァナンダンさんは、新記録樹立について「達成できて嬉しいけれど、ここで立ち止まらずに、これからも前進して歴史を作り続けたい」と語った。

これまでのWGMの最年少記録は、ロシアとウクライナの両国を代表していたエカテリーナ・ラグノさんの12歳。中国出身の侯逸凡さんも12歳でこのタイトルを獲得した後、男女共通の最高位タイトル「オープン・グランドマスター(GM)」を、女性として最年少の14歳で授与された。

FIDEのタイトルは、一度獲得すれば生涯持ち続ける。

シヴァナンダンさんは今大会で、男女共通の「オープン・インターナショナルマスター(IM)」の二つ目のノームも取得しており、高位タイトル獲得に向けてさらに前進した。IMは、シヴァナンダンさんがすでに保持しているWGMと「ウーマン・インターナショナルマスター(WIM)」よりも上位に位置付けられている。

シヴァナンダンさんはチェスへの愛について、「旅行が好きだし、フルタイムで学校にも通っているので、チェスは学校の多くの科目と関連していて、とても役に立っている」と付け加えた。

黒髪の少女がチェス盤の前でテーブルに両肘をついている
画像説明, シヴァナンダンさんは、国際チェス大会に出場しながら、フルタイムで学校に通っている

父親のシヴァさんは以前、BBCの取材に対し、娘がどこからチェスの才能を受け継いだのか全く分からないと話していた。シヴァさんも妻も大学でエンジニアリングを学んだが、チェスは全く得意ではないという。

シヴァナンダンさんのチェス・プレイヤーとしての躍進は、目覚ましいものだった。新型コロナウイルスによるロックダウン中に独学でチェスを学び、2021年7月にはロンドン近郊にある地元ハロウのチェスクラブで最初の大会に出場した。

7歳の時には、欧州学校チェス選手権で出場した24試合すべてに勝利した。

2023年には、クロアチアで開催された欧州ラピッドチェス・ブリッツチェス選手権で、GMとの公式対局で負けなかった最年少選手になった。翌年には、9歳でハンガリーの首都ブダペストで開かれたチェス・オリンピアードに、イングランド代表として出場した。

昨年には10歳で、イギリス・チェス選手権においてピーター・ウェルズさんを破り、GMに勝った最年少の女性選手となった。

今年7月には、フランスで開催されたドール・オープンで一つ目のIMノームを取得。11歳4カ月という史上最年少の記録を樹立した。この大会では、GMのマルカンドリア・マウリッツィさんに勝利。クラシカル(早指しなどではない標準的な形式)の対局でレーティング2600点以上の選手に勝った、最年少の少女となった。