ウクライナ、ロシア通販2位オゾンの施設を攻撃

 白文字で「OZON」と書かれた青い建物から、オレンジ色の炎が上がっている

画像提供, Reuters

画像説明, ウクライナによるドローン攻撃を受けたロシア・ダゲスタン共和国マハチカラで、ロシアのオンライン小売大手オゾンの施設から炎が上がる様子を捉えた動画がソーシャルメディアに浮上した。画像は、当該動画のスクリーンショット
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ロシアのオンライン小売2位のオゾンは24日、同社が所有する複数の倉庫が、ウクライナによるドローン攻撃を受けたと発表した。

オゾンによると、ウクライナの攻撃を受けたのはロシア南部クラスノダール地方、ダゲスタン共和国、スタヴロポリ、アディゲ共和国の各地にある同社の物流施設。この夜間攻撃で火災が発生し、複数の負傷者が出たという。

ウクライナはここ数週間、ロシアのオンライン小売最大手ワイルドベリーズの施設を攻撃している。ワイルドベリーズがロシア軍に部品を供給しているため、同社は正当な攻撃対象だとウクライナは主張しているが、ロシアはこれを否定している。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は22日、ウクライナは経済関連施設を攻撃して「パンドラの箱」を開けたと主張。ロシアはウクライナの「最も影響を受けやすい経済セクター」に反撃するつもりだとした。

ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ウクライナの民間インフラを標的にしている。最近のロシアによる攻撃では、ウクライナの倉庫や貨物ターミナルが被害を受けている。

ロシアとウクライナはともに、民間人を意図的に標的にしている事実はないと主張している。

オゾン社によると、ダゲスタン共和国マハチカラにある物流センターが24日午前5時ごろ、ドローン攻撃を受け、「火災が発生」した。

同社はこれに先立ち、ダゲスタン共和国のこの施設から西に700キロメートル離れたクラスノダール市の物流センターの一つで「大規模な火災」が発生していると発表していた。

ロシア国防省は、ウクライナのドローン攻撃により、クラスノダールで子ども3人が死亡したと発表した。ロシアで子どもの権利を担当するマリア・リヴォワ=ベロワ大統領全権代表によると、死亡したのは13歳、15歳、16歳の子どもで、ほかに6人の子どもが病院へ搬送されたという。

一方、アディゲ共和国アディゲイスクとスタヴロポリ地方ネヴィンノムイスクでは、複数のオゾンの従業員が避難した。

BBCが、ソーシャルメディアに投稿された複数の動画を検証したところ、そのうちの一つに、オレンブルク州の倉庫にドローンが衝突する様子が映っていた。別の動画では、ダゲスタン共和国にあるオゾンの倉庫から大きな煙と炎が上がっているのが確認できる。

モスクワ証券取引所では24日朝、オゾンの株価が最大12%下落した。同社の主要株主であるプライベート・エクイティ企業AFKシステマの株価も、13%近く下落した。

クレムリン(ロシア大統領府)は24日、ロシア政府はオゾンに国家的支援を行う方針かと尋ねられると、「この困難な状況下での支援提供に向けて様々な選択肢を策定するため、企業の代表者たちと連携している」と答えた。

今回の夜間攻撃の前日23日には、サマラ州にあるオゾンの施設が攻撃を受け、複数の従業員が負傷したと、オゾンが発表していた。

23日の攻撃について、ウクライナ国防省は同日、「軍民両用品を保管する施設に対する組織的な空爆は、敵の兵站(へいたん)を難しくして、ロシア経済全体に悪影響を及ぼす」と述べた。

「ウクライナ部隊は、ワイルドベリーズの最大規模の物流拠点15カ所を攻撃した。次はオゾンの番だ」

こうした中、ウクライナ南部オデーサ州では24日、食料貯蔵施設やエネルギーインフラを標的とした夜間攻撃があり、5人が負傷した。オレグ・キペル州知事がメッセージアプリ「テレグラム」で明らかにした。

1998年に設立されたオゾンは、ロシア最古のオンライン小売業者の一つ。その事業規模や存在感はワイルドベリーズに次ぐもので、国内各地に商品の受取拠点や宅配ボックスを設置している。

ロシアでは、共同の受取拠点にオゾンとワイルドベリーズのロゴが並んで掲げられていることも多い。

こうしたオンライン小売業者が標的にされることで、ウクライナとの戦争は、ロシアの一般市民にとってより身近なものとなっている。

両社はいずれも、米通販大手アマゾンのロシア版として知られる。ロシアの経済活動人口の85%~90%が両者のサービスを利用していると推定されている。

店舗へのアクセスが困難な多くの遠隔地の住民は、衣類や家電製品の大半を購入する際に両社のサービスを利用している。

ただ、自社で商品を直接販売しながらマーケットプレイス(市場)事業も展開するアマゾンとは異なり、ワイルドベリーズとオゾンはほぼ全面的にマーケットプレイスとして機能している。両社は、ロシア全土の独立した販売業者と購入者を結び付け、商品の保管・配送・決済処理を担っている。

このため、ウクライナの攻撃で生じた損失の多くは、両社のサービスを利用する販売業者が負担することになる。

クレムリンは、オンライン・プラットフォームが軍需物資の供給に利用されている事実はないと主張している。