【2026年サッカー男子W杯】 アルゼンチン、スイス下す ベスト4が出そろう

白と水色の縦じまのユニホームを着た選手が、ピッチ上で両手を広げて笑顔で走っている

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画像説明, 延長戦で決勝ゴールを決めたアルゼンチンのアルバレス(11日、米カンザスシティー・スタジアム)
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エマ・スミスBBCスポーツ記者

サッカー男子ワールドカップ(W杯)北中米大会は11日(日本時間12日)、アメリカのカンザスシティー・スタジアムで準々決勝があり、アルゼンチンが3-1でスイスに勝ち、準決勝に進出した。これでベスト4が出そろった。アルゼンチンは劇的な勝利を経て、準決勝でイングランドと対戦することになった。

フリアン・アルバレスが延長戦に入って見事なゴールを決め、物議を醸した試合に決着をつけた。ゴールまで20メートル超の位置から放ったカーブの効いた、止めようにも止められないシュートは、スイスのGKグレゴール・コベルの伸ばした手の先をすり抜け、ネットに刺さった。これでトーマス・トゥヘル監督率いるイングランドとの対戦が決まった。

スイスは、後半に劇的な状況で10人に減った後も、果敢に守り抜いていただけに、悔やまれる敗退となった。

エースストライカーのブリー・エンボロが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による確認の結果、わざと倒れたと判定され、劇的な形で2枚目のイエローカードを受けて退場となった。

当初はエンボロが、ハーフウエーライン付近でアルゼンチンのレアンドロ・パレデスにファウルを受けたように見えたため、パレデスにイエローカードが出された。しかし、誤認判定のルールに基づき主審がVARから確認を求められ、リプレー映像を検証した結果、エンボロが明らかに接触を装っていたことが判明した。

パレデスへの警告は取り消され、すでに警告を受けていたエンボロは退場となった。エンボロは嘆き悲しみ、スイス代表チームは激怒した。

スイスが試合の大半で優勢

大会2連覇を狙う世界王者を相手に、試合の大半で優勢だったスイスは、それに見合う形で、エンボロが退場になる5分前に同点に追いついた。

アルゼンチンは開始わずか10分で、アレクシス・マカリストルがリオネル・メッシのコーナーキックをニアポストで頭で合わせ、ゴールを決めた。この時点では、楽に準決勝に進めると感じていたかもしれない。

しかし、アルゼンチンは優位を生かせず、逆にスイスが試合の流れをつかみ始めた。そして後半22分、ノッティンガム・フォレストのウイングのダン・ンドイェがゴールを決めた。

ンドイェは左サイドから切り込み、リカルド・ロドリゲスとのワンツーのパス交換から、アルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスの足の間をすり抜けるシュートを決めた。

だが、エンボロが退場すると、アルゼンチンが試合を支配した。そして、アルバレスの天才的なプレーによって、長い苦しい時間から救われた。

スイスは2度目の同点ゴールを狙って攻め込んだ。しかしアルゼンチンのカウンターを許し、ラウタロ・マルティネスにゴールを決められた。これによりアルゼンチンは、W杯連覇への望みをつないだ。

赤色ユニホームのエンボロがうつむき、両手を顔に当てている。周囲をチームメートらが囲み、エンボロに手を当てるなどしている

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画像説明, スイスのエースストライカーのエンボロ(手前中)は退場になり涙を流した

アルゼンチン分析:また精彩欠くも攻撃力は際立つ

アルゼンチンは、優勝候補の筆頭格と目されながら、3試合連続で精彩を欠いた。それでも、混とんとした展開の末に辛勝した。

序盤にマカリストルのゴールで先制してから、後半アディショナルタイム終盤にリサンドロ・マルティネスがアクロバティックなシュートを放つまでの約90分間、アルゼンチンは枠内シュートを1本も放てなかった。そして、マルティネスのシュートは相手GKコベルの低い位置での好セーブに阻まれた。

アルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスは、スイスのコベルよりも忙しく動き回り、ンドイェの至近距離からのシュートを止めた。そのプレーの過程でエンボロはオフサイドの判定を受けたが、リプレー映像を見る限り、もしンドイェが得点していれば、この判定は覆っていた可能性もあった。

マルティネスは、エンボロとンドイェのヘディングシュートと、MFグラニット・シャカのロングシュートも止めた。

白と水色のユニホームの選手が両手を広げて口を大きく開けている。そばで赤色ユニホームの選手がそれを見ている

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画像説明, アルゼンチンのマカリストルは、今大会での初ゴールとなる先制点を決めた

アルゼンチンの攻撃力には大きな余力があった。メッシが今大会で初めて得点を挙げられなかったにもかかわらず、勝利を確保した。

アルゼンチンはこれで、W杯15試合連続で得点を記録した。過去11試合ではすべて2点以上挙げている。この日の試合でも2点以上を取ったことで、W杯史上最長の「複数得点連続試合」の新記録を樹立した(これまでの最長記録は1930~1954年にかけてウルグアイが残したものだった)。

メッシはこの試合で、W杯で10アシストを記録した初の選手となり、数々の記録に新たな1ページを加えた。

スイス分析:エンボロ退場が転機に

スイスは、試合の大部分で優勢だったが、エンボロの退場が転機となった。試合後、もしあのまま試合が続いていたらどうなっていたか、スイスは考えずにはいられないだろう。

エンボロがパレデスとの接触なしに倒れたことは疑いない。ただ、アルゼンチンはこの試合を通し、非常に当たりの強いプレーをしながらも、ほとんど罰せられていなかった。このため、エンボロが激しいタックルを予期していた可能性はある。

試合全体で32のファウルがあり、うち14はアルゼンチンによるものだった。それでもアルゼンチンは、延長戦に入るまでイエローカードを1枚も受けなかった。

その結果、スイスは準々決勝の呪いを打破できなかった。スイスは主要大会の準々決勝をこれまで6回戦っているが、いずれも敗れている。

スイスは主力MFのヨハン・マンザンビの欠場も痛手となった。彼は大会序盤で印象的な活躍を見せたが、膝のけがにより最後の2試合を欠場した。

今後の予定

アルゼンチンは、米アトランタ・スタジアムで15日午後3時(日本時間16日午前4時)にある準決勝で、イングランドと対戦する。

その試合の勝者は、準決勝もう1試合のフランス対スペインの勝者と、19日(日本時間20日)に決勝を戦う。