米議会、93兆円の新型ウイルス追加経済支援策を可決

Volunteers fill boxes of food at the Share Your Christmas food distribution event sponsored by the Second Harvest Food Bank of Central Florida,

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画像説明, 新型コロナウイルスのパンデミックが経済に影響を及ぼし、多くのアメリカ人が食料支援に頼っている
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米議会上下両院は21日、9000億ドル(約93兆円)規模の新型コロナウイルス追加経済支援策の採決を行い、賛成多数で可決した。追加支援策をめぐっては、与野党幹部が数カ月にわたり協議を続けてきた。

下院ではこの日、賛成359、反対53で追加支援策が可決された。その数時間後には上院で92対6で可決された。

この支援策は、今後9カ月間の政府資金をまかなう1兆4000億ドル(約144兆7000億円)規模の歳出法案と一本化される。

ドナルド・トランプ大統領の署名を経て、近く成立する見通し。

ジョー・バイデン次期大統領候補はツイッターで可決を歓迎しつつ、年明けには、議会は新政権のCOVID-19(新型ウイルスの感染症)支援計画のサポートに努める必要があると述べた。

アメリカでは多くの新型ウイルス経済対策が月末に期限切れとなり、約1200万人が失業保険給付へのアクセスを失う危険にさらされていた。

しかし一部議員からは、この巨額の追加支援策の法案について内容を吟味する機会もないままに採決を求められ、不意打ちを食らったようだとの声が上がった。

5600ページほどに及ぶ法案は、「記憶にある限りで最長の、そしておそらく史上最長の」ものだとAP通信は伝えた。

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追加の経済対策の内容は

国民の大半を対象にした1人あたり600ドルの直接給付や、週300ドルの失業保険上乗せ、3000億ドル以上もの企業支援、ワクチン配布、学校や立ち退きに直面している賃貸人への支援が含まれる。

また、失業者支援プログラムの有効期限が来春まで延長される。

今月末に期限切れになる予定だった立ち退きの猶予期間の延長と、250億ドル規模の家賃支援も盛り込まれる。延長によって、何千人ものアメリカ人が家を失わずに済むこととなる。

また、医療保険会社がカバーしていない医療機関で治療を受け、高額な治療費を請求されないようにする対策も含まれる。

与野党幹部の合意は、共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務が20日に発表した。マコネル氏は21日の採決に先立ち、「誰もこの法案が完璧だとは思っていない。しかし、署名のために大統領に送る際には、これが信じられないほど多くの利益をもたらすと、超党派の大多数が認識している。アメリカ国民はもう十分待った」と述べた。

野党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長とチャック・シューマー上院院内総務は、追加支援策は「新型ウイルスの感染拡大が加速する中、アメリカ国民の命と生活を救うために緊急に必要な資金を提供」するものだと述べた。

600ドルの直接給付の対象は

1人あたり600ドルの直接給付は、収入が7万5000ドル(約775万円)までの個人、あるいは15万ドル(約1550万円)までの夫婦が対象となる。

スティーブン・ムニューシン米財務長官は、給付第一弾の小切手は早ければ来週にも送付されると説明した。

今回の給付額は、今春の最初の新型ウイルス経済支援で支払われた額の半分だ。

法案に含まれないものは

法案には多くの民主党議員にとって最優先事項であった、地方自治体への大幅な支援は含まれていない。代わりに共和党は、COVID-19関連の訴訟から企業を法的に保護するという内容を盛り込まないことで合意した。

シューマー氏は法案について、「2021年の新型ウイルス救済策の上限ではなく、下限を設定する」ものであり、1月20日のジョー・バイデン氏の大統領就任後は民主党がさらなる支援を推し進めるだろうと述べた。

今回の法案は、連邦政府の閉鎖を回避するため、18日までに議会で通過させる方針だったが、協議は週末まで続いた。政府は10月以降、新型ウイルス対策に臨時資金をあてている。

アメリカ国民の反応は

経済アナリストは今回の合意を歓迎しているが、景気回復のスピードが減速するのを回避するにはあまりにも小規模で、遅すぎる対応だと警告している。

また、一部の家庭が貯蓄に回す可能性が高い景気刺激策の小切手については、経済をより効果的に浮揚させるかもしれない、より標的を絞った計画の効果を奪ってしまうのではとの懸念を示している。

「どんなCOVID救済法案も、救済法案が全くないよりはましだ。しかし、議会で可決される措置は(中略)総額9000億ドルを最も効率的に運用しているとは言えない」と、パンテオン・エコノミクスの主任エコノミスト、イアン・シェパードソン氏は指摘した。

一方でソーシャルメディア上では、もっと給付額を多く設定すべきだったとの声が多くあがった。

「600ドルで何人かの命が救えればいいけど、これではギリギリだってみんな分かっている」と、カリフォルニア州在住の男性は述べた。

「世界中の主要国が自国民に対してやっていることを見ていると、私たちが選挙で選んだ人たちが私たちに、ほんのわずかしか与えてくれないことに腹が立つ」とツイートする人もいた。

これまでの支援策は

アメリカは3月、家計支援として大人1人に最大1200ドルを支給することや、週600ドルの失業給付金上乗せなどを含む、2兆4000億ドル規模の景気刺激策を承認した。同国では今春に2000万人以上が職を失い、4月には失業率が14.7%にまで上昇した。

喪失した雇用の約半分は回復したものの、支援策が期限切れとなり資金が枯渇する中、エコノミストや企業はさらなる救済を承認するよう議会に求めてきた。

現在は800万人近くが貧しい暮らしを送っている。年間の貧困層の増加幅は、60年前に貧困の追跡調査が始まって以来で最大となっている。